バレエの腰痛 ヘルニア、梨状筋症候群など

投稿:2022.05.18 / 16:36 

バレエの腰痛 ヘルニア、梨状筋症候群など

腰椎椎間板ヘルニア

背骨と背骨の間には、クッションの役割がある椎間板があります。その椎間板の中にあるゼリー状の組織を「髄核」と言います。
腰椎椎間板ヘルニアとは、髄核が外にとび出して神経を圧迫するため、腰痛や下肢のしびれなどの症状を生じます。

好発年齢は20~40代と比較的若い世代に多く、スポーツやバレエをしている10代に発症することも多くあります。
症状が軽い場合は保存療法で様子を見ますが、症状が進行し日常生活が困難になってきた場合は手術が適応となることが多いです。

梨状筋症候群

臀部の深層に梨状筋という筋肉があり、梨状筋の下縁、または梨状筋の間から坐骨神経が表層に出てきます。
梨状筋症候群とは、梨状筋が過度に緊張することにより、この部分で坐骨神経が圧迫され臀部から下肢にかけて痛みやしびれを生じます。

梨状筋の主となる作用は股関節の外旋動作で、バレエで言うところの「アンディオール筋」となる部分です。
バレエをされている方は梨状筋の使い過ぎ(オーバーユース)となりやすく、梨状筋症候群の発症リスクは高くなると考えます。

バレエでは強くアンディオール(股関節の外旋動作)をしたときに、梨状筋が収縮して痛みを生じます。
または、梨状筋が持続的に緊張しているようなケースだと、お尻の筋肉をストレッチする動作(股関節の内旋動作)で痛みを生じます。

椎間関節性腰痛

背骨の両脇には椎間関節という関節を形成しており、その部分に負荷がかかり炎症を起こし痛みを生じます。
腰を反った状態で捻る動きを加えると痛みが増強するような場合は、椎間関節性腰痛の可能性があります。

バレエや新体操ではこのような姿位を取ることが多く、椎間関節性腰痛になるリスクは高いと言えます。

痛みを感じやすい場所は椎間関節部分で、背骨の真ん中から2センチほど外側です。重症化すると臀部や下肢まで痛みが出ることがあります。

腰椎すべり症

腰椎すべり症とは、腰椎が前方へ滑り出し神経を圧迫するため腰痛や下肢のしびれなどの症状を生じます。
病態が進むと、長時間歩くと痛みとしびれが出て、背中を丸くして少し休むとまた歩くことができる間欠性跛行の症状が出ることもあります。

腰椎すべり症は、「腰椎分離すべり症」と「腰椎変性すべり症」に分けられます。

●腰椎分離すべり症

腰椎分離すべり症は、スポーツをしている中学生の頃に好発する「腰椎分離症」が進行して発症します。スポーツやバレエで発症する場合はこのタイプが多いです。

●腰椎変性すべり症

腰椎変性すべり症の多くは、加齢に伴い腰椎が変性して発症します。骨の変性を起こしやすい高齢の女性に多く発症します。

脊柱管狭窄症

背骨には神経が通るトンネルがあり、これを脊柱管と言います。
脊柱管狭窄症とは、この脊柱管が加齢により骨や靭帯が変性して狭くなることで、神経を圧迫して発症します。

特徴的な症状としては、長時間歩くと腰痛、臀部痛、下肢の痛みやしびれを引き起こし、背中を丸くして少し休むとまた歩くことができる間欠性跛行があります。

脊柱管狭窄症は高齢者に多く発症することから、現役のスポーツ選手やバレエをされている方には稀な病態となります。
ですが、腰椎すべり症、椎間板ヘルニアなどの病態が進行して発症することもありますので注意が必要です。

坐骨神経痛

坐骨神経痛は普段からよく耳にすることがあると思いますが、坐骨神経痛とは病名ではなく、腰部、臀部から下肢の後面、外側面にかけて痛みやしびれが現れる症状のことを言います。

坐骨神経痛の原因としては、腰椎椎間板ヘルニア、梨状筋症候群、腰椎すべり症、脊柱管狭窄症などの症状として起こります。

バレエで腰痛になる根本原因

バレエで腰痛になってしまう最も多い姿勢パターンとしては、重心が前に移動していることです。
重心が前方へ移動してしまうと、身体に以下のような特徴が見られます。

  • 肋骨が開く
  • 反り腰になる
  • 骨盤が前傾する
  • 過度な反張膝(膝の反りすぎ)
  • もも前がパンパンに張る
  • ふくらはぎがパンパンに張る
  • 足趾が曲がる(カギ趾変形)

このような不良姿勢が続いてしまうと、腰部に負荷が強くかかり様々な腰痛を生じやすくなります。

バレエ動作が原因となる腰痛で病院や整形外科を受診した際に診断される症例は、筋・筋膜性腰痛、腰椎分離症、腰椎分離すべり症、仙腸関節障害、椎間板ヘルニア、梨状筋症候群、椎間関節性腰痛、脊柱管狭窄症など様々です。

そして、これらの診断を受けたバレエダンサーの姿勢を見てみると、多くの方が前述したような重心が前方へ移動している姿勢パターンになっています。

一般的な病院での治療

急性の場合は、痛み止めの処方、ブロック注射、アイシング、コルセット固定、骨盤ベルト固定などを行い、安静にしていれば多くのケースは数日で強い痛みは消失することが多いです。

慢性の場合は、マッサージ、ストレッチ、温熱療法、電気治療、再発防止のための筋力トレーニングなどが一般的な治療法となります。

難治性の場合は、疾患によっては手術が検討される場合があります。

当院での治療

診断について

筋肉、筋膜が原因の腰痛は、当院で問診、触診、徒手検査、エコー検査により診断することはできます。

一方で骨、関節、椎間板、軟骨組織などの診断は、レントゲンやMRIによる画像検査が必要となりますので、まずは病院で検査を行ってください。
病院を受診された後で、患者様が当院で保存療法を希望されるようでしたら施術を行うことはできます。

疼痛部位に対して

施術のターゲットとなりえる部位へマッサージ、手技療法、衝撃波(圧力波)治療器、ラジオ波治療器、スーパーライザー光線治療器、鍼治療などを用いてアプローチしていきます。

※施術内容は患者様とカウンセリングをした上で決定していきます。一方的に施術内容を決めることはありませんのでご安心ください。
※鍼治療は希望者のみ行いますのでご安心ください。

骨盤に対して

アスリートやバレエダンサーは重心が前方へ移動している姿勢になりやすく、骨盤が前傾位で固まってしまい、骨盤体(腰椎と骨盤)を後傾することが苦手な人が多いです。

骨盤帯(腰椎と骨盤)の後傾方向へのモビリティ(可動性)を向上させていくことで、腰部の筋肉や筋膜への負荷を軽減させることができると考えております。
そして、骨盤の捻れや開きの左右差を確認し、手技療法により骨盤(仙腸関節)を矯正します。

全身へのアプローチに対して

腰部に負荷がかかりすぎているということは、その背景には体の様々な箇所にエラー動作や歪みが隠れています。

例えば、背骨の可動域が少ない、骨盤の前傾が強い、膝の捻れがある、足首の捻れがある、偏平足があるなどです。
それらを整体、矯正手技にて改善することで、腰部に過剰にかかっている負荷を軽減させることができると考えます。

体幹の安定に対して

足を上げる動作など下肢を動かす際には、下肢の筋肉よりも体幹の筋肉(インナーユニット)が先行して働くことが正しい身体の使い方です。
インナーユニットとは、腹横筋、横隔膜、骨盤底筋群、多裂筋のことを言います。

体幹の筋肉を先に収縮させ体幹を安定させてから下肢の筋肉を使った方が、体のブレが小さく運動効率がよいためです。

例えば、股関節を屈曲する動き、バレエ動作でたとえるとドゥバンへ足を上げるときは、以下のような順序で働くことが理想的です。

【体幹の筋肉(インナーユニット) ⇒ 大腰筋(腸腰筋、腸骨筋) ⇒ 大腿直筋】

ですが、骨盤帯(腰椎、骨盤)や股関節に問題を抱えている多くの方は、体幹の筋肉(インナーユニット)が先行して働くことができず、大腿直筋や大腰筋(腸腰筋、腸骨筋)が先行して働いていることがあります。
このようになってしまうと骨盤帯(腰椎、骨盤)や股関節への負荷が強くなってしまい、ケガに繋がりやすくなります。

当院では、体幹の安定性とモビリティ(可動性)を向上していくためにバレエピラティスを行っています。

保存療法の可能性

長期間悩まれている腰痛、病院や他の整骨院に行っても治らない腰痛も施術方法を変えれば改善する可能性はあります。
そしてバレエでの不良動作を改善していくこと、体幹の安定性とモビリティ(可動性)を向上していくことは根本改善に繋がっていくと考えます。
詳しくはそれぞれの治療ページをご覧ください。

クライアント様とカウンセリングを行いながら、以下の施術方法を組み合わせ、最善の方法を選択し、早期回復を目指します。

治療法