バレエの下肢障害 鵞足炎

投稿:2022.05.18 / 16:38 

バレエの下肢障害 鵞足炎

鵞足炎(ガソク炎)とは

このような症状があるようでしたら、鵞足炎(ガソク炎)の可能性があります。

  • 5番ポジションに深く入れると膝の内側が痛い
  • ドゥミプリエなど膝を深く曲げると膝の内側が痛い
  • ジャンプの踏み込みや着地のときに膝の内側が痛い
  • ポワントワークをすると膝の内側が痛い
  • レッスン後に膝の内側が痛く、熱感があり腫れている
  • 急にターンをすると膝の内側が痛い
  • 裏もも、内もものストレッチをすると膝の内側が痛い
  • 膝の内側に熱感、腫れがあり押すと痛む

鵞足とは、膝の内側にあるスネの骨の上端(脛骨隆起)部分を指し、ここには内ももから裏ももにある縫工筋、薄筋、半腱様筋が付着します。
この部分がガチョウの足の形によく似ているので鵞足と呼ばれており、この鵞足部の腱や滑液包の炎症を鵞足炎と言います。

鵞足炎は、縫工筋、薄筋、半腱様筋の使い過ぎ(オーバーユース)が主な原因となります。
走ることの多い陸上競技やサッカー、急なターンの多いバスケットボールやテニス、水泳の平泳ぎなど、あらゆるスポーツで起こりやすいスポーツ障害の一つです。

鵞足炎は男女関係なく、学生アスリートから中高年のスポーツ愛好家まで幅広い年齢層に発症します。

バレエでの鵞足炎の発症メカニズム

上記のスポーツの他に、バレエ、新体操、チアダンスなど、足を外旋させる動作(ターンアウト)の多い競技でも多く発症します。

特に膝の向きよりもつま先の向きが外を向いているオーバーターンアウトの状態では、膝から下が外側へ捻れるため鵞足炎を発症しやすくなります。

バレエではターンアウトが基本動作としてありますので、鵞足炎が慢性化してしまうケースもあります。
慢性化してしまうとレッスンや練習を長期に休むことになりかねませんので、初期の段階で対処しなければいけません。

バレエでの鵞足炎の原因

  1. 過回内足(オーバープロネーション)で内側の土踏まずが潰れている。いわゆる偏平足の足をしている。
  2. 足関節底屈可動域が少ない。足首が硬くてつま先が伸びない、甲が出ないようなタイプの足をしている。
  3. 股関節外旋可動域が少ない。アンディオールの可動域が狭い。膝が外に向きづらいタイプの股関節をしている。
  4. オーバーターンアウトしている。膝の向きとつま先の向きが合っていない。膝の向きよりもつま先の方がターンアウトの角度が大きくなっている。
  5. 体幹の安定性(コアスタビリティ)の低下。体幹が弱いのでお腹の引き上げが苦手なタイプ。
  6. 骨盤の歪み。バレエでは骨盤が前傾し腰が反る、そしてお尻が後ろを向いてしまっているタイプが多い。
  7. 間違った動作。カマ足、逆カマ足に多く、ふくらはぎの筋肉を正しく使えていない。
  8. 足裏の筋力が弱いので、ふくらはぎの筋肉に負担が増える。
  9. コンクールに向けて、発表会に向けてなど、急にレッスン量が増えた。
  10. 最近体重が増えてしまった。

エコー検査により患部を正確に把握

当院では、施術者の手を使って行う徒手検査と、超音波画像診断装置であるエコー検査を行っております。

プロスポーツの現場では常識となっているエコー検査ですが、一般的な多くの整骨院、整体院では行われていないことが現状です。
徒手検査で見落としがちな患部の状態も、エコー検査を行うことで、骨や筋肉、靭帯の損傷を詳しく画像として視覚的に把握することができます。

鵞足炎を早く治すためには、エコー検査を用いた早期発見と、正確な損傷部位の把握は必須だと考えます。

鵞足炎の治療法

鵞足炎の治療は、痛みを早く取り除くための患部の治療と、鵞足炎を再発させないための身体づくりの両方が必要だと考えます。

患部の痛みを早く取り除くためには、衝撃波(圧力波)による治療がとても有効だと考えます。詳しくは衝撃波(圧力波)治療のページをご覧ください。

そして鵞足炎を再発させないための身体づくりに対しては、バレエ整体やバレエピラティスを行っていきます。
クライアント様とカウンセリングを行いながら、以下の施術方法を組み合わせ、最善の方法を選択し、早期回復を目指します。

治療法

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