投稿:2022.05.18 / 15:48
バレエの下肢障害 足底腱膜炎
足底腱膜炎(足底筋膜炎)とは
このような症状があるようでしたら、足底腱膜炎の可能性があります。
- 起床時の一歩目に足裏に激痛が走る
- 走ると足裏が痛い
- 階段を降りるときに足裏が痛む
- 歩行時に足裏にツッパリ感があり、時折ピキッと痛む
足底腱膜炎(足底筋膜炎)は、踵の付け根の部分に最も痛みを生じやすいですが、足裏の真ん中辺りや、母趾の付け根に痛みを生じることもあります。
一度発症するとなかなか治らずに困っている方が多い下肢障害の一つです。
中年以降に多く発症しますが、10代、20代の方のスポーツ障害としても発症します。
足底腱膜炎の発症メカニズム
足底腱膜とは、踵の付け根から足趾の付け根にかけて張っている膜状の組織です。
歩行や運動で体重が足裏にかかったときに、足底腱膜の張力が働いて衝撃を吸収し、足裏のアーチが過度に落ち込まずキープできているのです。
ですが足底腱膜に過度な張力がかかり続けると、その負荷に耐え切れず炎症が起こり痛みを生じます。
足底腱膜炎を発症しやすい足の特徴としては、偏平足や過回内足をしている方です。
その理由は、偏平足や過回内足ですと足首が内側へ倒れこむため、足裏のアーチが崩れて足底腱膜の張力が常に高い状況になっているからです。
また、ふくらはぎの筋肉が張っていてアキレス腱が踵を強く引っ張っている場合は、足底腱膜の張力が高まりますので、この場合も足底腱膜炎になるリスクが高くなります。
バレエでの症状は
バレエではこのような症状があります。
- プリエをすると足の裏が痛い
- ジャンプの着地のときに足の裏が痛い
- タンジュで足趾を伸ばそうとすると足の裏が痛い
- ルルベやポワントなど、つま先立ちで足の裏が痛い
バレエでは、股関節のターンアウトの角度より足関節のターンアウトの角度が大きくなる傾向にあります。いわゆるオーバーターンアウトです。
オーバーターンアウトしている状態ですと、膝のお皿の向きよりも足先が外を向いて足首が内側へ倒れこみますので、上記で述べたように足底腱膜炎の発症メカニズムに陥りやすくなります。
さらにバレエは、ルルベ、ポワント、プリエ、ジャンプなどでふくらはぎの筋肉である腓腹筋とヒラメ筋を酷使しますので、それらの筋肉がパンパンに張っていることが多くあります。
ふくらはぎの筋肉が硬い状態だとアキレス腱が強く踵を引っ張るので、足底腱膜への負荷が高まります。
上記の2つの理由から、足底腱膜炎はバレエで発症しやすい下肢障害の一つであると言えます。
バレエでの足底腱膜炎の原因
- 過回内足(オーバープロネーション)で内側の土踏まずが潰れている。いわゆる偏平足の足をしている。
- 足関節底屈可動域が少ない。足首が硬くてつま先が伸びない、甲が出ないようなタイプの足をしている。
- 股関節外旋可動域が少ない。アンディオールの可動域が狭い。膝が外に向きづらいタイプの股関節をしている。
- オーバーターンアウトしている。膝の向きとつま先の向きが合っていない。膝の向きよりもつま先の方がターンアウトの角度が大きくなっている。
- 体幹の安定性(コアスタビリティ)の低下。体幹が弱いのでお腹の引き上げが苦手なタイプ。
- 骨盤の歪み。バレエでは骨盤が前傾し腰が反る、そしてお尻が後ろを向いてしまっているタイプが多い。
- 間違った動作。カマ足、逆カマ足に多く、ふくらはぎの筋肉を正しく使えていない。
- 足裏の筋力が弱いので、ふくらはぎの筋肉に負担が増える。
- コンクールに向けて、発表会に向けてなど、急にレッスン量が増えた。
- 最近体重が増えてしまった。
エコー検査により患部を正確に把握
当院では、施術者の手を使って行う徒手検査と、超音波画像診断装置であるエコー検査を行っております。
プロスポーツの現場では常識となっているエコー検査ですが、一般的な多くの整骨院、整体院では行われていないことが現状です。
徒手検査で見落としがちな患部の状態も、エコー検査を行うことで、骨や筋肉、靭帯の損傷を詳しく画像として視覚的に把握することができます。
足底腱膜炎を早く治すためには、エコー検査を用いた早期発見と、正確な損傷部位の把握は必須だと考えます。
足底腱膜炎の治療法
足底腱膜炎の治療は、痛みを早く取り除くための患部の治療と、足底腱膜炎を再発させないための身体づくりの両方が必要だと考えます。
患部の痛みを早く取り除くためには、衝撃波(圧力波)による治療がとても有効だと考えます。詳しくは衝撃波(圧力波)治療のページをご覧ください。
そして足底腱膜炎を再発させないための身体づくりに対しては、バレエ整体やバレエピラティスを行っていきます。
クライアント様とカウンセリングを行いながら、以下の施術方法を組み合わせ、最善の方法を選択し、早期回復を目指します。