バレエの下肢障害 長母指屈筋腱炎、三角骨障害

投稿:2022.05.18 / 15:55 

バレエの下肢障害 長母指屈筋腱炎、三角骨障害

足関節後方インピンジメント障害とは

このような症状がある場合は、足関節後方インピンジメント障害(長母趾屈筋腱炎、三角骨障害、距骨後方突起障害)の可能性があります。

  • ルルベやポワントで内くるぶしの後ろ、またはアキレス腱の奥の方が痛みや詰まりを感じる
  • タンジュの足を出したとき、内くるぶしの後ろ、またはアキレス腱の奥の方に痛みやつまりを感じる
  • 内くるぶしの後ろが腫れていて押すと痛い

足関節後方インピンジメント障害とは、ルルベやポワントでつま先立ちの状態になった際、足関節の後方が狭くなりアキレス腱の奥の方で軟部組織が挟まれて発症します。

足関節後方インピンジメント障害はバレエの下肢障害で最も発症しやすい一つで、重症化すると手術が適応となるケースもありますので注意が必要です。

足関節後方インピンジメント障害は、長母趾屈筋腱炎、三角骨障害、距骨後方突起障害の3つに分類されます。

長母趾屈筋腱炎とは

長母趾屈筋はふくらはぎの深い部分から始まり足首のあたりでは細く腱となって、内くるぶしの後ろ、アキレス腱の奥を通って滑車のように折れ曲がり母趾の骨に停止します。

主な作用は足関節の底屈、母趾の屈曲です。つま先立ちや甲を出す動作を常に行っているバレエでは、オーバーユース(使い過ぎ)になりやすい筋肉の一つです。

長母趾屈筋腱が内くるぶしの後ろを通る場所で、脛骨(スネの骨)と踵骨(かかとの骨)に挟まれてインピンジメント障害を発症します。

バレエの足関節後方インピンジメント障害の中では最も発症しやすく、ルルベやポワントなど、つま先立ちで痛みが憎悪します。
体重のかからないタンジュなどでも痛みがある場合は、重症化している可能性があります。

三角骨障害とは

三角骨とは、距骨(足首の中心にある骨)の後ろにある過剰骨です。過剰骨とは必要のない、無くてもよい骨のことで、約12%の人に存在すると言われています。
三角骨の有無はレントゲンで確認することができます。

日常生活では三角骨があっても何も問題はありませんが、ルルベやポワントで激しく踊るバレエでは、三角骨が距骨(足首の中心にある骨)、脛骨(スネの骨)、踵骨(かかとの骨)に挟まれてインピンジメント障害を発症します。
この際、多くのケースで長母趾屈筋腱炎を併発しています。

距骨後方突起障害とは

距骨(足首の中心にある骨)の後方の突起部分に炎症が生じます。

発症メカニズムは長母指屈筋腱炎や三角骨障害と同様で、ルルベやポワントで足首を最大に底屈した際に足関節の後方が狭くなり、距骨後方突起が脛骨(スネの骨)、踵骨(かかとの骨)、軟部組織に挟まれてインピンジメント障害を発症します。

距骨後方突起の大きさや出っ張りは個人差があり、レントゲンで確認することができます。

バレエでの足関節後方インピンジメント障害の原因

  1. 過回内足(オーバープロネーション)で内側の土踏まずが潰れている。いわゆる偏平足の足をしている。
  2. 足関節底屈可動域が少ない。足首が硬くてつま先が伸びない、甲が出ないようなタイプの足をしている。
  3. 股関節外旋可動域が少ない。アンディオールの可動域が狭い。膝が外に向きづらいタイプの股関節をしている。
  4. オーバーターンアウトしている。膝の向きとつま先の向きが合っていない。膝の向きよりもつま先の方がターンアウトの角度が大きくなっている。
  5. 体幹の安定性(コアスタビリティ)の低下。体幹が弱いのでお腹の引き上げが苦手なタイプ。
  6. 骨盤の歪み。バレエでは骨盤が前傾し腰が反る、そしてお尻が後ろを向いてしまっているタイプが多い。
  7. 間違った動作。カマ足、逆カマ足に多く、ふくらはぎの筋肉を正しく使えていない。
  8. 足裏の筋力が弱いので、ふくらはぎの筋肉に負担が増える。
  9. コンクールに向けて、発表会に向けてなど、急にレッスン量が増えた。
  10. 最近体重が増えてしまった。

エコー検査により患部を正確に把握

当院では、施術者の手を使って行う徒手検査と、超音波画像診断装置であるエコー検査を行っております。

プロスポーツの現場では常識となっているエコー検査ですが、一般的な多くの整骨院、整体院では行われていないことが現状です。
徒手検査で見落としがちな患部の状態も、エコー検査を行うことで、骨や筋肉、靭帯の損傷を詳しく画像として視覚的に把握することができます。

足関節後方インピンジメント障害(長母趾屈筋腱炎、三角骨障害、距骨後方突起障害)を早く治すためには、エコー検査を用いた早期発見と、正確な損傷部位の把握は必須だと考えます。

足関節後方インピンジメント障害(長母趾屈筋腱炎、三角骨障害、距骨後方突起障害)の治療法

足関節後方インピンジメント障害(長母趾屈筋腱炎、三角骨障害、距骨後方突起障害)の治療は、痛みを早く取り除くための患部の治療と、再発させないための身体づくりの両方が必要だと考えます。

長母指屈筋腱炎の患部は、衝撃波(圧力波)による治療がとても効果的です。詳しくは衝撃波(圧力波)治療のページをご覧ください。

三角骨障害は重症化すると手術が適応になる場合がありますが、手術をしたからといって必ず治癒するとは限りませんので、まずは保存療法(手術以外の方法)で様子を見ることが一般的です。

そして足関節後方インピンジメント障害を再発させないための身体づくりに対しては、バレエ整体やバレエピラティスを行っていきます。
クライアント様とカウンセリングを行いながら、以下の施術方法を組み合わせ、最善の方法を選択し、早期回復を目指します。

治療法