ケガが多い、身体をコントロールできない子供の特徴

投稿:2022.06.17 / 19:00 

ケガが多い、身体をコントロールできない子供の特徴

全身関節弛緩性が高いとは?

体の柔らかさや関節の可動域は個人差が大きいことはご存じかと思います。

全身関節弛緩性が高い人とは、分かりやすく言うと一般的な人より身体が柔らかい人のことを言います。

また全身関節弛緩性の高さは遺伝的な要素が大きく関与しています。

全身関節弛緩性の高さについてスポーツ医学などの専門家の間では重要視されていますが、日本ではバレエ指導者も含め一般的にはあまり知られていない現状があります。

全身関節弛緩性が高い人は身体が柔らかいのでバレエに向いていて上手になるだろうと思ってしまうかもしれませんがそうではないことも多いです。

身体が柔らかい人の悩み

全身関節弛緩性の高い人、身体が柔らかい人は以下のような悩みを抱えていることが多くあります。

・身体を止めてキープできない

・身体をコントロールできない

・先生の指導通り修正できない

・腰痛や足のケガを繰り返す

全身関節弛緩性テスト(ベイトンテスト)

全身関節弛緩性の高さの評価として全身関節弛緩性テスト(ベイトンテスト)があります。

評価の目安は小学4年生以上で行います。

<画像>

1、右手の第5指MP関節伸展90度以上

2、左手の第5指MP関節伸展90度以上

3、右手の親指が前腕につくか

4、左手の親指が前腕につくか

5、右肘の過伸展10度以上

6、左肘の過伸展10度以上

7、右膝の過伸展10度以上

8、左膝の過伸展10度以上

9、立位の膝伸展位で前屈し手掌がゆかにつくか

1~9項目までをそれぞれ1点として、4点(4/9)以上で全身関節弛緩性テスト陽性となります。

<0~3点>

全身関節弛緩性テスト陰性です。

ケガをしにくいなどメリットはありますが、バレエをキレイに踊るには体が固い傾向にあります。

特に足首やひざ裏のストレッチやモビライゼーションをしっかりと行いましょう。

<4~7点>

全身関節弛緩性テストやや陽性です。

ストレッチと体幹トレーニングをバランスよく行っていきましょう。

<8~9点

全身関節弛緩性テスト陽性です。

このタイプは全身関節弛緩性がかなり高いのでバレエをしていて悩みを多く抱えている可能性があります。

身体のコントロール力を上げるために体幹トレーニングをしっかり行いましょう。

また、膝が入りっぱなしで立っている傾向にあるので足首のフレックス側への動きと、ハムストリングが固い可能性が高いですので、この部分はしっかりとストレッチをしましょう。

全身関節弛緩性の高さが子供のバレエ姿勢に及ぼす影響

全身関節弛緩性テスト陽性が姿勢に及ぼす影響として、以下の特徴があります。

1)骨盤の前傾、腰椎過前弯になる。反り腰になり肋骨が開いてしまう傾向にある。

2)立位で膝が入り過ぎる状態、膝の過伸展(反張膝)になる。

3)足裏のアーチが低下し偏平足傾向、外反母趾にもなりやすい。

全身関節弛緩性の高さが深部感覚に影響する可能性

全身関節弛緩性があるとバレエを踊っている際の筋収縮感覚や関節位置感覚のセンサーが鈍くなりやすいです。

そして以下のような感覚が起こりやすくなり、踊りづらさを感じてしまうケースが多くあります。

・自分がイメージしている高さに足が上がっていない

・筋肉にどの程度の力を入れていいのか分からない

・骨盤の位置や正しい姿勢など頭では理解をしているが身体をコントロールできない

全身関節弛緩性の高い子供たちの可能性を育てるために

バレエを美しく踊るためには身体が柔らかい条件の方が良いので、全身関節弛緩性の高い子供たちがバレエを長く続けていく傾向にあります。

そして全身関節弛緩性が高い子供は足が高く上がる、甲がキレイに出て、膝がきれいに入るのでバレエ教室のエース級になっていくことが多いです。

全身関節弛緩性が高い子供への指導方法ですが、海外のバレエ学校やバレエカンパニーではバレエのテクニックを指導する前に身体のコントロール力を身に付けていくことを重要視します。

一概には言えませんが日本のバレエ教室では身体のコントロール力が出来る前にトウシューズのレッスンを開始したり、コンクールのためのテクニックを指導するなどの本来の指導方法が逆転している傾向があります。

その結果として足のケガ、腰痛、外反母趾などで悩む子供たちが沢山います。

また本来であればバレエが最も上達するゴールデンエイジ(5、6年生~中学生の頃)に伸び悩むことも多くあります。

最後に

これまでも述べてきましたが全身関節弛緩性の高い子どもはケガをしやすいです。

「間違った身体の使い方×レッスン時間」でケガのリスクはどんどん高くなります。

全身関節弛緩性が高い子供へのアプローチとしてはバレエのテクニックよりも身体のコントロール力を身に着ける方が先だと思います。

身体のコントロール力とは十分な体幹の筋力、床を押して身体を引き上げる感覚、骨盤の位置をコントロールする感覚などです。 身体のコントロール力を身に付けてからバレエのテクニックを学んでいくことで、子供たちの可能性を最大限に伸ばしてあげられるのではないかと思います。

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